「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」『月がきれい』第6話「走れメロス」感想

月がきれい 第6話より「繋がれた、千夏と茜の手」




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2017年春アニメ『月がきれい』第6話「走れメロス」を見ました。

他の各話の感想は以下にまとめてあります。

『月がきれい』感想記事-まとめ-

2017.05.31

第6話「走れメロス」あらすじ

以下、公式サイトよりあらすじを引用します。

「私、安曇くんのこと好きになっちゃったみたい」親友である千夏からのメッセージに、部活の大会を目前に控え茜は気もそぞろ。そんなこととは知らない小太郎のもとには、出版社から連絡があり、会いに行くことに。

サブタイトルの「走れメロス」は小太郎も大好きな太宰治の短編小説ですね。

太宰は言った、「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」

OP前の小太郎のセリフですが、太宰の長編小説『斜陽』に書かれた一節です。以下に『斜陽』より引用します。

(前略)いままで世間のおとなたちは、この革命と恋の二つを、最も愚かしく、いまわしいものとして私たちに教え、戦争の前も、戦争中も、私たちはそのとおりに思い込んでいたのだが、敗戦後、私たちは世間のおとなを信頼しなくなって、何でもあのひとたちの言う事の反対のほうに本当の生きる道があるような気がして来て、革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ。私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。

『斜陽』という物語の中ではこういう感じで出てきます。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

千夏から「私、安曇くんのこと、好きになっちゃったみたい」というLINEをもらった茜。部室に行くときもこっそりと覗き込んで人が居ないのを確認したりと、あまり顔を合わせたくないんだなぁという雰囲気が出ています。

練習後の光景ではいつも通り3人で話していますけど、きっと気もそぞろなのでしょう。千夏は葵や茜に「一口ちょうだい」と言ってアイスを一口食べています。公式サイトのキャラクター表にも書かれていますが、千夏は「人の持っているものを欲しがるところがある」そうなのでこういう振る舞いなのでしょうが、うーん、ひょっとしてこれは恋愛でもそうなのでしょうか。だから小太郎が気になる、ということなのかも知れません。だって小太郎、そんなにモテるキャラじゃないし……。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

水野家の食卓。「いただきます」という茜、どことなく元気がありません。

陸上の大会の応援に行くという両親に「い、いい……」とイヤがる茜。姉の彩音はニヤニヤしながら「茜、もう中三だし……彼氏とかぁ……」と思わせぶりな発言をします。その彩音をにらむ茜。「えぇ!へぇ!」と興味津々な母親、「そうなの?」とショックを隠せない父親。

水野家はほのぼのしていて良いですね。なんというか、微笑ましい家族です。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

翌朝小太郎と茜は朝の図書室で会います。朝の図書室は良い選択じゃないですかねぇ、これなら誰にもジャマされないでしょう。

小太郎は前日、出版社から電話が来て呼び出されたことを茜に報告します。「スゴいスゴい」と喜ぶ茜。小太郎の表情もまんざらではありません。

呼び出されたのが次の日曜日なので陸上の応援に行けなくなったことを告げる小太郎。二人は「一緒に頑張ろう」と指切りをします。

茜も前日は相談がある、とLINEしていたのですがこの日は結局何も言えず終いでした。茜は抱え込んでしまうタイプのようですね。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

小太郎が出版社を目指すシーン、茜が駅から競技場に向かうシーンで東山奈央カバーのレミオロメン『3月9日』が流れます。3月9日といえばすっかり卒業ソングとおなじみ、という感じかも知れませんが、歌詞がシーンに合っていたのでしょうね。

470円の切符を持って「たっけぇ」とつぶやく小太郎が印象的です。西武鉄道の運賃計算方法によると目的地は40km以上離れているわけですからね、中学生にとっては遠いところだし高いですよね。

出版社の最寄り駅は飯田橋だったようなので、ホントは640円かかるはずなのですが……池袋から飯田橋まで歩いたのかも知れませんね。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

競技場の茜と千夏。ついに千夏から「この前のLINEだけど……」と話を切り出します。そして茜は小太郎と付き合っていることを初めて宣言します。顔を真っ赤にして初々しいです。

それに対して「知ってた」という千夏。千夏は天然なのか、それともプレッシャーをかけようとわざとこのタイミングで言うのか判断が困るところですが、きっと天然なんだろうなぁ。

私がオッサンであるがゆえのうがった見方ですが、二人は親友と言っていますが、千夏は親友という橋の上で駆け引きをしているような印象を受けました。この場合茜の方が純真だなぁという印象を受けます。

『月がきれい』第6話「走れメロス」より ©2017「月がきれい」製作委員会

そして予選スタートです。千夏と茜は同じ組を走ります。去年は応援席で見ていた千夏、今年は最後だからがんばりたいと言っていた彼女は最後に茜を追い抜きました。

このシーンも、茜が恋愛ごとで練習や本番に向けて集中できなかった、というのもありますが、千夏という子の駆け引きの上手さが出ているんじゃないかなぁと思ってしまいました。

OP前の太宰の文章を受けるなら、茜は恋愛によって、千夏は革命によった、そういう見方もできそうです。

次のページに続きます。





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